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2016-08-17  特許品質の向上による産業のニュー・ブルーオーシャンの創出 俞伯璋弁護士/法律顧問

特許品質の向上による産業のニュー・ブルーオーシャンの創出
俞伯璋弁護士/法律顧問
マッキンゼーグローバル研究所は、2013年に公表した研究レポートにおいて、未来の生活やグローバル経済を変更可能な科学と技術をいくつか公表しています。これらの技術は、2025年に30億米ドル以上の経済的効果をもたらす見込みがあります。ここで留意して頂きたいことは、モノのインターネット(Internet of Things;IoT)は、モバイルネットワーク及び自動化技術に次ぎ、あらゆる物品をラジオ識別情報感知設備によりインターネットと接続し、知的識別・管理を提供するネットワークシステムであることです。台湾は情報通信産業の研究開発、設計と製造において強い実力を持っており、この技術分野の発展において一席の地位を占めることが期待されています。しかしながら、モノのインターネットまたはその他の期待される技術において産業上の好ましいポジションを取得することは、大きな課題となっています。
従来、台湾は世界の経済発展において、製造面でOEMまたはODMの形式で参加してきましたが、積極的なゲームのルール制定者とはなれていませんでした。たとえ自ら研究開発と言っても、既存のものを改良したものにすぎませんでした。その問題としては、台湾産業では、製品には特許出願の必要があるとの意識は持っていますが、全体的及び策略的な考え方を事前に導入していないため、製品または有望な技術の特許ポートフォリオは依然として充分ではありません。また、企業経営者は、研究開発に資金と人力を投入する前に、特許ポートフォリオを事前に構築するほか、特許明細書における特許請求の範囲が適切であるか否か、特許請求の範囲をサポートできる実施例があるか否か保つ人力を投入し、特許請求の範囲における不適切な記載によって権利解釈上の不具合を回避する必要があります。
知的財産権が次第にビジネス戦争の核心となっている現在、特許の内容及びポートフォリオは、いずれも企業の成敗を決定する鍵となっており、質と量とを兼ね備えた特許を取得することで、下流から脱出し、ニュー・ブルーオーシャンを創出することができます。